化学繊維の衣類が増え、天然繊維100%の衣類を探すのが困難な時代。
もちろん、探せばあるし、それなりの金額を出せば買えるけれどね。
私は、衣類を買うときには、必ず素材表示を確認する。中でも最も気になる素材はポリウレタンだ。私の場合、ポリウレタンが使われていると、なんか身体がイライラしてくるのよね。
ポリウレタンは、
・伸縮性をもたせる
・異なる繊維素材を張り合わせる
・生地に特徴あるコーティングを施す
・革製品に似せた商品をつくる
などの目的で使われているそうだ。
ポリウレタンが使われていると、型崩れしにくく、着易くなったように感じるけれど、身体が喜ぶ快適さとはまったく違う。
母は、私が小学生低学年の頃から「着るものは、綿やウール100%の服にしなさい!」と、事あるごとに言っていた。だから、高校生くらいになって、自分で下着を買うようになった時は、「化繊のパンツはやめなさい!」と叱られたものだ。
当時は、いまのように優れた化繊が少なかったこともあるだろうが、とにかく、繊維がからだに影響することや天然の良さを教えられてきたし、それが私の衣類選びに影響を与えている。
綿100%で、洗濯して首が伸びたり、型崩れしたTシャツ、最初は履きにくいけれど、次第にからだにフィットしてくるデニム。私はこういう変化のある繊維の方が心地よいと感じる。天然だからこそのメリットもデメリットもあるだ。
値段が安い、型崩れしない、早く乾くなど、一見、メリットだらけのように見える(いや、そのように宣伝されている、というのが正しいね)化学繊維のデメリットって、なかなか伝えられていなのではないだろうか?
繊維の違いによって感じる、肌や気分の変化など、身体が発しているシグナルをキャッチできる人は良いが、それらを感じられない人が増えていると思うのね。
この「とくに何も感じないまま」、繊維のストレスにさらされているとしたら、そして、これが長年続くとしたら、非常に怖いと思う。
今から15年前、それまでつけていたブラもショーツも洋服もパンストも、なにを着ても、身体中の皮膚がピリピリとして、仕事も手につかないほどになったことがある。
母に話しをしたら、「それ、更年期よ。私もそうだったわ。」と言われたけどね。
そのとき、ある1着のワンピースを着ているときだけ、肌の不快感がなくなり、仕事に集中できることに気づいた。そのワンピースは、知り合いの服飾デザイナーに、「この生地はとてもいいから、これでワンピースをつくっておきなさい!」と言われて、オーダーしたものだった。
確か10万円くらいだった思うけれど、結果として、15年も着ている(まだまだ着続ける)から、1年で着なくなるファストファッションより、コストパフォーマンスもいいのよね。
繊維の威力を感じたと同時に、繊維の怖さも実感したできごとだ。
子どもの時から、化繊やポリウレタンが使われた衣類を着て、天然繊維の快適さを知らないまま大人になる人も増えているのではないか?
生活の基本となる衣食住。
食育も大切だけど、衣類、特に繊維の教育もすべきだと思う。