パーソナルスペース


パーソナルスペースは、他人に近付かれると不快に感じる空間のこと・・・

 

昔、お役所の偉い人で、立ち話をするときに、一歩、近づいて話すおじさんがいた。悪気はないのだが、背が高いこともあり、接近されると圧迫感がある。

ある日、エレベーターの中でも一歩近づいてきたので、手で押しのけて「60cmは離れてください!」と言ったことがある。

エレベーターのような狭い空間では、距離感が保てないと不安になる。恋人同士なら体が触れ合う距離でもいいが、仕事上の相手は、近づき過ぎると落ち着かない。

アメリカの文化人類学者のエドワード・ホールによると、相手の表情が読み取れる距離は45-75cmだそうだ。私が「60cmは離れて」と言ったのは、このことを知っていたから。

 

こういう距離感って、時代や民族によって異なると思うが、公共の場所ではどうなんだろう?

 

夕方で人が多い時間帯の地下鉄で、私の前には、自分の左右に20cmずつ隙間をあけて3人の人が座っていた。

それぞれが少しずつ詰めれば、楽勝であと一人、スリムな人なら二人も座れそうなのに・・・

 

自分の隣の空いているスペースに誰も気づかないのか、気づかないないふりをしているのか。最近は、中年女性でもそういう人が多い。年齢の問題じゃないのね?

 

昔は、キツキツ、ツメツメに座っていても、隣の人にくっついて不快感を与えないようにさらに身体を縮めて座っていたと思う。
私は昔の人だから今もそうしている。

姿勢良く座らないと身体は締まらない。見ていると、現代人はだらしなく座って、スペースを無駄遣いしている。

その上、人との関わりを避けて、公共の場でも自分のスペースを確保したがる。

 

それって、人と関わることへの恐怖心の表れ?