フェイスブックを見るだけでも、自分と同姓同名の人が何人かはいるが、私には、名前遍歴がある。
29歳で離婚した直後、母から
「今日からこの名前を使いなさい。」と書いた手紙に、「友子(ゆうこ)」と筆で書かれた紙が同封されてきた。
大学一年生の春、同じクラスになった占い好きの友達が、
「(姓の最後の文字が「川」、名前の一文字目が「千」となっている)
◯川千◯という名前は、離婚するんやって〜。私ら、離婚するんかな?」
と言っていたが、彼女は23歳で見合い結婚の後、1年ほどで離婚した。
そのことがあって、やっぱり、私も離婚するのかな?と刷り込まれたのは間違いない。
子供の頃から自分の名前があまり好きではなく、もう少し、洒落た名前にしてくれたらよかったのにと思っていた。妹は洒落た名前なので。
私が自分の名前が好きになれない理由は、
・字が単純すぎる(すべて小学校一年生で習う漢字ばかり)
・おばさんくさい(祖母の名前の一文字、父の名前の一文字が入っている)
・発音しにくい(ち・は・るではなく、ちゃーる となる)
本人的には、自分の名前を文字で見るのも好きではなかったのだが、名刺交換すると「美しい名前ですね」とよく言っていただいた。誰でも読めるし、白川千春という字面の、白と春のイメージで美しく見えたんだろう。当時はそうは思わなかったが、思い返してみれば、名前でずいぶん得をしていたのかもしれない。
ただ、白川(しらかわ)という名前はとても好きで、女友達も、男友達も、ほとんどが「シラカワ」と呼んでくれる。
ひとつ、不思議だなぁと思っているのは、私が下の名前で「◯◯さん」と呼んでいる女性でも、相手は私のことを「ちはるさん」ではなく、「シラカワさん」と呼ぶ。私的にはそれが一番、しっくりするし、気に入っているけれど、なんでかな?と思う。
母が送ってきた「友子」の名前は、私のイメージとは違う気がしたが、なんか、優しい女性になれそうな感じがしたし、「千春」より、少し可愛いかな?くらいの気持ちで使い始めた。たぶん、私が気が強いとか、そんなことを母が占い師にいったんじゃなかろうか?
こんなことがあって、占いなど、まったく興味のなかった私だが、友達の離婚に続き、母が名前を貰ってきたくらいだから、よほど、白川千春という名前は良くないのだと、刷り込まれてしまった。
そして、世の中には、おせっかいな人がいて、名前を変えたら変えたで、ちゃんと自分で見てもらったほうがいいという人がいて、その人の紹介で占い師を訪れたら、「友子は良くない。ちはるという音のまま、字を変えなさい」と言われたり、その後も「字が良くない」、「音が良くない」等々、まあ、よく変えたものだ。
私の場合、自分から探して行くわけではないが、節目節目で、そういう人に出会ってしまった。
ようやく自分の名前がしっくりしてきたのは、ここ数年のこと。
亡くなった親友が「必ずあなたは元の名前にもどすわ」と言い残していたからかもしれない。
今はブログのサブタイトルに使っているほどだから、亡くなった祖母も父も喜んでくれているだろう。