見えない存在


午後9時過ぎ、「チン」という音がして、iMessageが届いたと思って見が、受信した形跡がない・・・・

確かに、音がしたのだけど・・・

 

あら?お父さんかな?
お盆だから実家に来いよってことね?

これまでにも何度かこういう経験がある。

 

父は入院して3週間で亡くなったが、午前中は母、午後は妹、夜は私が父に付き添った。
仕事を終えて夜9時過ぎに病院へ行き、朝5時過ぎに帰る。
忙しい時期だったので、病院に到着するなり眠り込み、気がつけば朝という毎日だった。看護師さんは1時間に1回は巡回にきてくれていたらしいが、私が気づいたことは一度もなかった。

ところが、父が亡くなる日の前日は違った。
午前3時に目が覚め、ドアを開けて、小柄な女性が二人が入ってくるのを感じた。そして、父のベッドの脇に行って「そろそろ、Mちゃん(母の名)を楽にしてやってね」と頼んでいった。

きっと、祖母たちだと思った。

母は養女なので、生みの親と育ての親の二人の母がいる。小柄な女性は、この祖母二人だ。形がそっくりだったから間違いない。もちろん、二人とも他界しているが、母のことを心配して、父に頼みに来たのだと思った。

そして、翌日の午後1時、妹から「今夜が山らしい」と連絡が入り、その夜は午後8時に母と妹、私が病室に集った。

すると妹が
「今朝、4時頃、電話くれた?」と聞くので、「電話はしてない」と言うと、実家も、妹の家も、午前4時に電話が「チン」と1回だけなって切れたらしい。

「電話はしてないけど、3時くらいに、小さい人が入ってきて、お父さんに、そろそろって、頼んで行った。たぶん、おばあちゃんたちやと思うよ。」

妹は「怖いこと言わんといて!」と言ったが、そういうことはあるんじゃないだろうか?と思う。

 

昨年、姪の一人が研究データをまとめられず、私に頼んできた。
とりあえず、データを送ってもらったが、あまりに膨大な量に手をつけられず、どうしたものかと考えあぐねて一週間が経った頃、うたた寝していた私の背中をゆすって、
「おい、早く、してやってくれよ!」と父が頼みに来た。

そして、普通では判読できないようなデータを入力したのだが、不思議とミスもなく入力できたのは、見えない人の力があったからだと思う。

こういうのを霊感というのかどうかわからないが、私の父は、私の周りにいる感受性の強い人のところに行っては、いろいろ、姪(父にとっては孫)のことを頼むらしい。心配で仕方ないようだ。

 

私自身も、そういう見えない力に支えられているんだなと思う。