ヒッキーのHJ君が少し変わり始めてくれたかな?と感じたのは、彼に柔軟体操を教えた頃からだと思う。
彼のお父さんによると、直近1年は、食事のとき以外は、ほとんど寝たままの状態で部屋に閉じこもっている。お酒やタバコを買いたい!という強いモチベーションがあるときは出かけているが。
2ヶ月前、私が通い始めた頃は、昼間はず〜っと寝ていて、夕方になって起き出してくる。
起きているときも、布団かベッドの上に座ってタバコを吸うか、うつ伏せでゲームをしている。そして、タバコを吸い終われば、また、横になる。
そんなHJ君に「あのさぁ〜。私の方を向いて話を聞いてくれない?」というと、一生懸命、こちらを向こうとしてくれるのだが、カラダが痛くて向きを変えられないという。そして、背中が痛い、腰が痛い、足が気持ち悪いという。
私も同じような経験があるからよくわかる。
私の場合は、一日中座りっぱなしで鼠蹊部のリンパの流れが悪くなり、足が重くなるので歩くと疲れるし、ついつい横になる。要は運動不足。
私が朝の体操をする理由は、寝起きの縮んだカラダをほぐして、リンパの流れをよくするため。そうするとカラダが目覚めて、軽くなる。
私
このままおじいちゃんになって、ず〜っと寝たままでいたいの?
HJ君
(蚊の泣くような声で)ううん。(と首を振る。もちろん寝たまま!)
私
あのさぁ、カラダが痛いのは病気だからじゃないよ!単に運動してないからだからよ!
いい?私の動きを見て、マネしてみて!絶対に元気になれるから!私、自信あるから!
さあ、まず、布団の上に起き上がって、ちゃんと座ってみて!
そう言って、座ったままできる体操を教えると、HJ君は私を真似てカラダを動かし始めた。
2種類の体操をし終わったところで、「アタマがフラフラする〜」と言って、布団の上に突っ伏してしまったが、まあ、最初は仕方ない。
帰りに「今日教えた体操、毎日、続けてみてね!絶対、元気になるから!」といって別れた。そして、翌週、買い物に行くという彼に付き添い、片道20分ほどの距離を歩いた。
な〜んだ!結構、ちゃんと歩けているじゃん!
私
ひょっとしてさぁ、教えた体操、やってたでしょ?
HJ君
うん(うなづく)
私
ほんと?毎日やった?
HJ君
時々。
私
まあ、それでもいいからさぁ、できるだけやってね!
はじめて体操をしたときは、少々痛いところもあっただろうが、カラダを動かすと気持ちよいと感じてくれたのかなぁ?と思う。
そして、その翌週くらいから、私がいく時間には起きていて、部屋のゴミも食器も片付けてくれているようになった。かなり助かる!
身体を伸ばすことのないまま日中を過ごして、そのままの身体で眠ると、朝目覚めた時には身体がより固まってしまい、起き上がる時に、腰や肩周りに痛みを感じるのだそうだ。考え事をして、歯を食いしばって寝た日は、確かに肩の周りがガチガチになって、体操をするとゴリゴリという音が聞こえる感じ。
私は、体操をするようになってカラダが柔軟になり、アタマも柔軟になったように思う。アタマというより精神かな?気楽に生きられるようになった気がする。
いま検索していたら、哲学者のアランも同じことをいっていたのね。幸福論は読んでへんけど。
小学生の私に「将来、哲学者になれる」と言った先生がいたが、ほんまにそんな素質があったのかも?へへへ〜。いや、でも短大時代に、哲学の単位を落としたわ!