やも男君シリーズ第1話
やも男君は、「男やもめ」のことと書いたが、語源についておさらいしておきたい。
「やもめ」は、夫や妻のいない、あるいは夫や妻を失った、独り身の女性や男性を指す言葉である。
「やもめ」の「め」は「女」を、男性の「やもお」の「お」は「男」を意味する。
漢字は、やもめは「寡、寡婦、孀」、やもおは「鰥、鰥夫」と書く。
ちなみに「鰥(やもお)」の魚編は女性を表しているのだとか。
「男鰥に蛆が湧き女寡に花が咲く(おとこやもめにうじがわきおんなやもめにはながさく)」というが、最近の男性はそこそこ身綺麗にしているのではないか?と思うが、やはり、独り身の男性より、女性の方が圧倒的に元気であるのは否めない。これは、この先も変わらないだろう。
父が亡くなって15年以上になるが、その間、母が独りになって落ち込んだことなど一度もない。お葬式の翌日には、かねてから欲しいと思っていた液晶テレビを買い込み、部屋を模様替えして、一人暮らしを楽しんでいる。80をすぎた今も、未だにクォン・サンウ(韓流スター)のファンで、疑似恋愛中。
これが逆だったら、と考えると怖い。
さて、前回も書いたが、離婚したり、奥様に先立たれた男性から女性を紹介してほしいと頼まれることが増えた。
誰か、女性を紹介してくれませんか。
あなたでもいいんだけど・・・
その、だいたいやねぇ、
「あなたでも」の「でも」はどういう意味やねん!
こういうデリカシーのない言葉遣いの男性は、絶対に、女性から好感はもたれない。
照れ隠しかどうかしらないが、こんな失礼は言い方はない。誰でもいいなら、とっと有料紹介所に登録すればいいだろうに。
「あなたでも」ではなく、「あなたがいい」と言わなければ、私でなくとも、誰もおつきあいはしてくれないと思う。
出会い力は、コミュニケーション力に比例する。
中でも、言葉の使い方は最も大切な要素だ。敬語ができるとか、そういう次元の話ではない。相手がどう感じるか、そういう配慮ができない人と過ごすことほど苦痛を感じる時間はない。
逆に、配慮ができる人であれば話しが弾む。これはお互いにという意味で。
そして、それが、相手を知ることにつながり、自分を知ってもらうことにもつながる。
こういう恋愛の基本中の基本を、やも男の皆様は、お忘れではないでしょうか?
追記
私に「あなたでもいいんだけど・・・」と言った人には、
「あははは・・・。ありがたいお話ですけど、私、年下しかダメなんです」と言って上手にお断りさせていただいた。こんな風に言えるようになったなんて、私も老成したもんだ。